一級建築士のすごさとは?資格の難易度や凄さの理由など紹介
一級建築士の資格は国家資格で難易度が高いと言われています。
難易度が高い資格の他に、何がすごさなのか気になります。
一級建築士の資格を持っていると「すごい」と言われますが、
どの様な凄さなのか気になると思います。
そこで今回は
・偏差値から見る凄さ
・合格率から見る凄さ
・取得メリットから見る凄さ
・1級建築士の必要性は?
・よくある質問
について一級建築士のすごさについて紹介します。
偏差値から見る凄さ
一級建築士の資格はどのくらいの偏差値が必要なのでしょうか。
ここでは、その他の国家資格と比較してランキング形式で紹介します。
順位 | 国家資格 | 偏差値 |
1位 | 司法書士 | 76 |
2位 | 税理士 | 75 |
〃 | 弁理士 | 75 |
3位 | 医師 | 74 |
4位 | 技術士 | 70 |
5位 | 獣医師 | 67 |
6位 | 一級建築士 | 66 |
7位 | 気象予報士 | 64 |
8位 | 歯科医師 | 63 |
9位 | 薬剤師 | 62 |
〃 | 行政書士 | 62 |
10位 | 建築整備士 | 58 |
〃 | 二級建築士 | 58 |
11位 | 建築施工管理技士(1級) | 55 |
1級建築士の偏差値は、司法書士に比べ低いですが、建設業界で必要な資格の中では「技術士」に次いで偏差値が高くなっています。
一級建築士には、1次試験と2次試験があります。1次試験の「学科試験」では、偏差値があまり高くないですが、2次試験では内容が特殊となっているので受かるには、資格学校などでの対策が必須と言われています。
合格率から見る凄さ
一級建築士の難易度は、どの位なのでしょうか。
1.試験内容と合格基準点
①1次試験(学科試験)
試験内容 | 出題数 | 合格基準点 (1問1点) |
建築計画 | 20問 | 10点 |
建築環境 | 20問 | 11点 |
建築法規 | 30問 | 16点 |
建築構造 | 30問 | 16点 |
建築施工 | 25問 | 13点 |
総合で125点満点中「87点以上」が合格となります。
②2次試験(設計製図)
事前に公表された「設計課題」に対して、出題者の要求を的確に読み取り、利用者の利便と周辺環境を考慮した建築物の計画と作図を行います。試験時間は6.5時間です。
※合否は作図の内容で決まります。
2.合格率について
一級建築士の合格率は何パーセントなのか気になると思います。
ここでは、過去5年の合格率を紹介します。
年度 | 種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
R3年 | 学科 | 31,699人 | 4,832人 | 15.2% |
製図 | 10,499人 | 3,765人 | 35.9% | |
R2年 | 学科 | 30,409人 | 6,295人 | 20.7% |
製図 | 11,035人 | 3,796人 | 34.4% | |
R1年 | 学科 | 25,132人 | 5,729人 | 22.8% |
製図 | 10,151人 | 3,571人 | 35.2% | |
H30年 | 学科 | 25,878人 | 4,724人 | 18.3% |
製図 | 9,251人 | 3,827人 | 41.4% | |
H29年 | 学科 | 26,923人 | 4,946人 | 18.4% |
製図 | 8,931人 | 3,365人 | 37.7% |
1級建築士は難しい試験なのが分かって頂けたのではないでしょうか。
上記の合格率を見ても、すごさ、一級建築士はどのくらい難しいのか、すごいのか分かりますね。
取得メリットから見る凄さ
1級建築士になると、様々なメリットがあります。
①色々な設計に携われる
一級建築士は、色々な建物の設計業務や監理業務が可能になります。
二級建築士や木造建築史では出来ない業務を任されます。
②社会的信頼を得られる
建設業界では、「一級建築士」の資格を持っているというだけで、一定の信頼につながり説得力も増します。
③昇給や昇級につながる
1級建築士の資格取得の難易度が高い事から、
一級建築士になったら、会社内では一定の評価が得られることが多いです。
企業によって異なりますが、資格を取得していれば「資格手当」を出す会社も少なくありません。
④就職や転職に有利
1級建築士は難易度が高い資格なので、資格を持っている人材は貴重です。
1級建築士という資格を持っていると、知識と実務経験の証明になり、就職や転職の時に大きな武器となります。主に「不動産業界」「官公庁」「金融関連」に転職する方が多いようです。
一級建築士の必要性は?
建築士には「1級建築士」と「2級建築士」があります。1級建築士と2級建築士では、試験の難易度が違えば、資格取得後に設計できる建物が違います。
ここでは、1級建築士と2級建築士の違いなどを紹介し、
一級建築士の必要性はなにかを知っておきましょう。
1.1級建築士の特徴
1級建築士の特徴は「建造物の設計に制限がない」ということです。
例えば、戸建住宅の様な小規模の設計から、オリンピック競技施設などの国を代表する建築物の設計をすることが出来ます。
2.2級建築士の特徴
2級建築士は、1級建築士と違い、建物の規模と構造に制限があります。
簡単に言えば「戸建住宅程度の規模」が対象で、木造建築物なら3階建てまでが基本です。
建物高さ13m、軒高9mを超える建物は設計できません。また、建築物の延べ面積も制限があり、1,000㎡以上の設計は認められていません。
3.1級建築士と2級建築士の違い
①資格の違い
資格を登録する機関が両者で異なります。
・1級建築士:国土交通大臣が免許を交付
・2級建築士:各都道府県知事が免許を交付
②仕事内容の違い
2級建築士の多くは「住宅専門」で設計しています。1級建築士は設計できる建築物に制限がないので大規模な建築物の設計が出来ます。
※1級建築士でも住宅設計が出来ます。
③試験の合格率の違い
過去(2016年)の試験の合格率は
1次試験(学科)合格率 | 2次試験(製図)合格率 | |
1級建築士 | 16.1% | 42.4% |
2級建築士 | 42.3% | 53.1% |
上記の表を見て分かるように、難易度の違いが分かります。
4.1級建築士は日本に何人?
2020年3月現在で、1級建築士の資格を取得している人数は「360,003人」です。
都道府県別の上位5つは次の通りです。(偏差値の順位です)
順位 | 都道府県 | 人数 | 偏差値 |
1位 | 東京都 | 71,273人 | 93.90 |
2位 | 大阪府 | 30,821人 | 67.04 |
3位 | 広島県 | 9,592人 | 65.30 |
4位 | 神奈川県 | 29,469人 | 63.15 |
5位 | 兵庫県 | 16,644人 | 59.18 |
5.1級建築士になるには何年かかる?
①4年制大学卒業後の場合:2年以上の実務経験で1級建築士の受験が可能
※建築士法で定められている指定科目を修めて卒業する必要があります。
②短期大学卒業後の場合:3~4年の実務経験で1級建築士の受験が可能
1級建築士は、大規模な建築物の設計に必要な人材となります。1級建築士は、取得しておきたい資格の一つです。
よくある質問
ここでは、よくある質問を紹介します。
①1級建築士になったらモテる?
【回答】
一級建築士の資格は難関で、頭がいいとされています。
女性からすれば彼氏が「一級建築士」
「一級建築士はすごい。」「頭いい。」
と自慢できるでしょう。
また、結婚して旦那さんが「一級建築士」だと年収も高いので
周りの人から「勝ち組」と羨ましがられることでしょう。
注意しないといけないのが、自慢しすぎることです。
周囲の人に自慢げに話をすると周りの人から相手にされなくなる恐れがあります。
彼氏や旦那さんが一級建築士だとしてもすごくないのだと、
自慢しないことをおすすめします。
②一級建築士ってすごいの?何ができる?
【回答】
一級建築士は難関資格であるがゆえ、貴重な人材となっています。
一級建築士は全ての建築物の設計などが出来、
国が関わるオリンピック競技の建築物の設計など、
大規模設計を任されることが多いです。
年収も高く凄い資格といえるでしょう。
③一級建築士が多い企業はどこ?
【回答】
建設会社で一級建築士が多い企業の上位3社を紹介します。(2017年時点)
順位 | 企業名 | 1級建築士 | 1級施工管理技士 | 構造設計1級建築士 | 設備設計1級建築士 |
1位 | 積水ハウス | 2,663人 | 1,708人 | 14人 | 6人 |
2位 | 大和ハウス工業 | 2,614人 | 3,336人 | 102人 | 213人 |
3位 | 竹中工務店 | 2,607人 | 2,424人 | 220人 | 81人 |
※「構造設計1級建築士」と「設備設計1級建築士」は、1級建築士よりもさらに専門性の高い資格です。
2005年に発覚した「耐震偽装事件」を受けて創設された資格です。
「1級施工管理技士」は、建設会社にとって必須の資格で、持っていなくても現場作業は出来ますが、責任ある立場にはなれません。
一級建築士のメリット
1級建築士の資格については「偏差値」や「合格率」などがどれくらいなのか、
先程紹介したように、かなり難易度が高いです。
その為、建設業界などでは貴重な人材とされており、就職や転職時に非常に有利となります。
1級建築士になったら何が出来る、何をするかも紹介しました。設計や建築の制限がなく、全て行うことが出来ます。
それほど1級建築士はすごいという事がわかります。
近くの一級建築士はどうでしょうか?
1級建築士の資格を考えている方や興味がある方は、今回の記事を参考にしてみて下さい。
1級建築士の資格取得は難易度が高いですが、取得して損はしないので是非チャレンジしてみて下さい。
今回は、一級建築士のすごさについて紹介しました。